こんにちは。ねこぜです。
今回は全く毛色が違いますが、ParsecというアプリとミニPCを使用してリモートでゲームを行う方法を紹介します。
ゲーム×出張
今や一般的になりつつありますが、私はPCゲーム勢です。
全く興味なかったんですが、コロナ渦にゲームでもやってみましょうかと、自作PCに挑戦したことをきっかけに、どんどんはまっています。
アメリカに来てからはゲーム用兼、写真・動画編集用にPCを新調したこともあり、快適なゲーミング生活を送っています。
最近になって少しだけ、出張中や移動中、旅行先のホテルでも、ちょっとした時間でゲームできないかなと思い始めました。
そういう時にやらないと積みゲーが増える一方なんですよね・・・
突き詰めたり、お金をはたけばいくらでも好環境でゲームできるとは思いますが、あくまで手軽で、荷物を軽量に済ませられるということを主眼に置きます。
いろいろと検証したなかで、自分に合った方法があったので紹介します。
様々な選択肢
時代の進歩というのは凄まじいもので、公園にゲームボーイを持っていって、通信ケーブルで対戦をしていたころからは信じられない選択肢があります。
先日ヨーロッパ旅行で友人の家に行った際に、学生の頃のように徹夜でウイイレでもしようと、クラウドゲーミングサービスを使ってみましたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。
ただ、そういったサービスは有料ではあるので、自分のあったリーズナブルな方法を探していきます。
少し調べる限り、出先でゲームをするには大まかに以下の方法がありそうです。
- Switch、SteamDeckなどの携帯ゲーム機
- ゲーミングノートPC
- タブレット端末でのリモート/クラウドゲーミング
- ミニPCでのリモートゲーミング
結論としてはミニPCとしたわけですが、各選択肢の良し悪し(自分にとっての)を説明していきます。
まずはSwitch、SteamDeckなどの携帯ゲーム機の購入です。
これは一番簡単で、ハードさえ購入すれば何も考えずにゲームできます。
実はSwitchはすでに持っていますが、いわゆるAAA級のタイトルをプレイしたいので、少し性能不足です。
SteamDeckは最有力候補でしたが、ちょっと高いのと性能によるゲームの制約があるという部分で購入に踏み切れませんでした。
SteamDeckは結構好調らしく、後続モデルも出てくるはずなので、小型化や高性能化はそちらに期待していきたいと思います。
この案は没。
次はゲーミングノートPCです。
お金さえあれば良い選択肢のはず。そこそこのモデルは30万が最低ラインです。
ただ、通常のノートPCより重く大きいため、持ち運びには覚悟が必要です。
出張ともなると会社PCも持ち歩くので、私のようにコンパクト手荷物至上主義者には厳しいものがあります。
また、高性能なグラボを積んだPCは相応の電源が必要なので、充電器も重くなってきます。
かなりのゲーム好きにしか背負うことが許されないアイテムです。
私はレベル不足なので没。
続いて、タブレット端末でのリモート/クラウドゲーミングです。
この方法が一番荷物が少なく済むと思います。
通信技術の進歩により、データ転送量は昔では考えられないくらい大きくなっています。
PS、Xbox、Steamなどゲームプラットフォームを運営している各社は、クラウドゲーミングというサービスを軒並み開始しています。
上の図のように、遠くのサーバーやPCで起動しているゲームの映像を、手元のデバイスに送信し、手元のコントローラーの情報を起動元に送信するシステムです。
ゲームの映像を創り出し、処理する作業が高負荷であり、そこの部分は遠く離れたPCにやってもらおうということです。
インターネットが繋がれば動作し、性能は手元のデバイスに依存しないため、どんなに高負荷なゲームでもプレイすることが出来ます。
すでにゲームをするデバイスが家にある人はリモートゲーミング(基本無料)、持っていない人はGeForce Nowなどのクラウドゲーミング(サブスク)という選択肢があります。
これは実際に、手持ちのAmazon Fireを出張に持っていきテストしました。
Steamが提供しているSteam Linkで自宅のPCをリモートで操作します。
ホテルのWiFiを利用していたのですが、結構カクカクです。
調べてみると、ホテルのWiFiは10Mbps程度で、快適なプレイには30~50Mbps必要とのこと。
わざわざ課金して回線アップグレードして50Mbpsくらいまで上げましたが、たまにカクつきが見られます。
どうやらWiFi発信元の位置によっては瞬間的に途切れることがあり、リアルタイムでダウンロード/アップロードが必要なクラウドゲーミングは安定しない様子。
有線LAN推奨とのこと。
また、Steam Link自体も決して低遅延のサービスではないらしく、他のサービスの方が優れているという情報もありました。
自分の中で、このリモートゲーミングという方法を活用するという方向性は見出していたため、いかにスマートに達成するか模索することにしました。
タブレットでテストした段階での課題・不満点は以下。
- 有線LANが必要
- Steam Link以外のリモートアプリ
- 通信環境悪い場合の対策(ホテルWiFi、飛行機)
- 大きいモニターへの画面出力(タブレットだと画面が小さい)
アプリに関しては、調べたところParsecというアプリが良さそうです。
非常に低遅延で、そもそもゲーム以前にデスクトップ画面から操作することができます。
この部分は動画編集に活きてくる気がします。
ただし、PC間の接続が基本らしく、Amazon Fireや他のタブレットでは難しそうです。方法はあるかもですが。
また、通信環境が悪い場合のために、低負荷なゲームを動かせる性能があれば好ましいです。
必要最低条件を揃える選択肢として、型落ちの安くて軽いノートPCを買おうと漁っていたところ、ミニPCなる製品の存在に出会いました。
これが最後の選択肢、ミニPCでのリモートゲーミングに繋がります。
画像のものは最小クラスですが、とにかく小さくて軽い。
これでいてそこら辺のノートPCよりも性能が良いというので驚きです。
ここ1、2年で盛り上がっている界隈らしく、CPUチップの性能向上、特にGPU的な役割を担うことが出来るCPUの登場がこの小ささを実現できているようです。
また、最低限のパーツしか搭載していないため、価格も非常に抑えられている印象です。
ただ、使い道が難しいのでいまいち人気が出ていないのが現状。
普段から据え置きで使うには小さすぎる意味は無いし、持ち運んでオフラインでゲームをするには性能が足らず、本格的なゲーミングモデルはやや大きくなり価格も上がります。
私の用途としてはゲームを単独で動かす必要は無く、旅先でテレビにつないで有線LANでリモートゲーミングができればいいので、非常に魅力的な選択肢です。
ミニPC選び
ミニPCといってもかなりのモデルが出てきています。
性能の違いも多いですが、今回の用途において重要なのは周辺機器を含めたコンパクトさ、接続端子の種類です。
ミニPCの購入にあたり、ポータブルモニターというものも買うことにしました。
タブレットより薄めのただの液晶モニターです。
ノートPCからディスプレイ側を剥ぎ取ったようなものです。
飛行機やテレビの無い、テレビの端子にHDMIが接続できないホテル用です。
実はこのモニター運用にミニPC選びの一つ重要なポイントがあります。
それはThunderbolt/USB4に対応しているかどうかです。
今や一般的になったUSB type-Cですが、形状は同じでもかなりの種類、世代があります。
最近のUSB type-Cは、給電だけではなく同時にデータ送受も可能なものもあり、それがThunderbolt/USB4です。
ポータブルモニターとミニPC、双方がこの端子を持っていると、ケーブル一本で画面に出力することが可能です。
もしこのタイプではない場合、ポータブルモニターは別途電源供給が必要となり、追加の充電器とコンセントが必要になります。
一方で、テレビや据え置きモニターのみにつないで使用する場合は、これを念頭に置く必要はありません。
上の画像の1万円しないミニPCで良いと思います。
しかし、そういった目線でミニPCを見ていくと、ローエンド帯の選択肢は消えていくこととなります。
もう一つコンパクトさに影響してくるのはミニPCへの電源供給方式です。
ミニPCの性能が向上するに伴い、消費電力も上がるため、ノートPCで使用するような四角い変圧器を伴った充電ケーブルになります。
これを避けるにはPD充電対応、という機能に目を付けます。
これもまたUSB type-Cの進歩によるもので、PD充電はUSB type-Cを使用した急速充電方式になります。
PD充電器はノートPC用の充電器よりもかなりコンパクトで、さらにはPD充電に対応していればモバイルバッテリーでの運用も可能です。
私の運用を考えたときに必要な機能としては、Thunderbolt/USB4でモニター使用が可能、PD充電対応、これら二つになります。
Minisforum EM680
条件から探していくと、私が調べた限り当てはまるミニPCは一つしかありません。
Minisforumという中国メーカーが販売しているEM680というモデルです。
まず、1枚目のようにかなり小さいですね。そうはならんやろって写真ですが。
USB4ポートが二つあり、画面出力とPD充電両方の条件を満たします。
また、このサイズ帯ではトップクラスの性能で、AMD Ryzen™ 7 7840UというCPUが使用されており、軽いゲームであれば問題なく動かせます。
購入時の価格は$285でした。性能や機能からすると高コスパです。
唯一の欠点はLANポートが無いため、有線LAN接続にはUSBコネクターを介しての接続になります。
EM680の実地テスト
出張前にすべてを揃え、いざホテルでテスト。
持っていったものは以下になります。
- ミニPC EM680
- 14インチ ポータブルモニター
- ポータブルキーボードマウス
- PS5コントローラー
- PD充電器(PC給電用)
- USB type-C ケーブル(PC-ポータブルモニター接続用)
- HDMIケーブル(PC-テレビ接続用)
- LANケーブル
- LANポートUSBアダプター
一見多いですが、ケースにまとめてしまえばひと塊です。
今回のホテル環境はWiFiがそこそこ強めの60Mbps、有線LAN接続も可能です。
無線でも有線でもどっちも問題なくプレイできました。
環境がいいのかParsecがいいのか要検証ですが、非常にストレスフリーです。
コンセントは一つしか必要としないので接続も非常にコンパクトです。
写真には残していないですが、テレビへの接続も問題なく、大画面でプレイすることができます。
稼働時の静音性も高いので、飛行機でもあらかじめダウンロードしたゲームをプレイ可能です。
外出先でゲームをするということに対する熱量はそこまで無かったのですが、いかにコンパクトにシステム構築するかという部分への熱量が高くなってしまいました。
手段が目的になった一例です。
外出先でゲームを楽しみたいという方は、自分に合った方法を試してみてはいかがでしょうか?
楽しいゲームライフを過ごしましょう!