こんにちは。ねこぜです。
前に古着で購入したBarbourのワックスリプルーフに挑戦してみます。
純正Barbourのワックスではなく、Otter waxというワックスを使用しました。
どうなるか不安でしたが、良い仕上がりになりました。
英国王室御用達・Barbour BEDALE
Barbourは1894年に創業したイギリスのブランドです。
もともとは漁師や水夫向けに作られたオイルドジャケットですが、その耐水性・耐久性からあらゆる業界の作業着として普及していきます。
世間的に急速に認知が広まったのは、1970年~1980年代に英国王室公認のアウターとして採用されたことがきっかけです。
コットン生地に植物性、動物性をブレンドしたワックスを染み込ませて、クラシカルで機能的なアウターに仕上げています。
長年根強い人気がありましたが、最近では日本のカジュアルシーンだけではなく、ビジネス着として使用する人も多く、多く見かけるようになりました。
昨年末スペイン訪問中に、意外と寒くなり急遽そこら辺の古着屋でアウターを調達しようとしたところ、良い色のBarbourに出会ったことが着用のきっかけです。
購入したBarbourはBEDALEという型で、すでに着用感が出て、いい味を出していましたが、ワックスの酸化が進み臭みがあり、汚れもあったため、クリーニング&リプルーフに挑戦します。
3枚目の写真はすでにオイル抜きを済ませたBarbour BEDALEになります。
Otter waxとリプルーフ道具
通常Barbourのワックスは純正のワックスがあり、半固形のワックスを温めて塗り込むものとなります。
ワックスの融点が比較的低いため、塗り込んだ後も表面は割とベタつきが残り、着用の際は注意が必要となります。
そのため、常温で固体になっているWaxを塗り込めばベタつきを抑えられるのでは??という発想で、違うワックスを探しました。
アメリカでも入手しやすく、湯煎をしながら使用するOtter waxというものを見つけ、アウターに使用することもあるようなので、そのワックスを使用することに決めました。
Otterというのはカワウソのことで、ロゴもカワウソになっていますが、カワウソのワックスを使用しているということではなく、カワウソのように防水になるという意味合いらしいです。
蜜蝋などの天然成分のみから作られており、常温では固形、融点も高めのワックスです。
Otter waxのメーカーが販売している筆や、浮き出た油を削り取る木べらなど、同時に購入して、準備を整えます。
ワックス湯煎~塗工
まずは固形のOtter waxを湯煎して溶かします。
最初はすぐに溶けるだろうと、ケトルでお湯を沸かして魔法瓶の器の中で湯煎を行いましたが、周りのみ溶けだして、一向に溶けきりません。
溶けるより先にお湯がお水になってしまうので、鍋でお湯を沸騰させながら、本気で湯煎することにしました。
じっくり湯煎すること15分、ようやくワックスがオイルとなり、そのままBarbourに熱いオイルを塗り込んでいきます。
筆にオイルをつけてもたもたしているとすぐに固まってしまうので、即座に塗り込んでいかなければなりません。
ただ、筆の形状的にどうしても塗る際の一筆目はかなりの量のオイルが染みてしまい、しかもそれを伸ばすのが難しく、ムラなく塗るのは非常に難しい作業です。
最終的に全部塗り終わった姿が3枚目ですが、止めておけば良かったという激しい後悔、どうしたらいいんだという絶望感、べたべたの作業場、これらの感情や事実が混ざり合い、作業する気力が急激に失せたため、いったん寝て、また明日以降作業することにしました。
余分なワックス落としと定着
色々と調べ、ワックスの特長も考え、次のステップを考えた結果、余分なワックスを削り落としたのちに、熱をかけてワックスを溶かして、生地に定着させようという結論へいたりました。
削り用の木べらは用意していたので、それでひたすら表面をしごいていきます。
白浮きしていた部分を中心に、ワックスが足りていないような部分へ伸ばすように、全体をならしていきます。
削りカスを集めたら元の缶より増えてるんじゃないかくらい余分なワックスが落ち、熱をかけてワックスを定着させるステップへ移ります。
低い温度では溶けないワックスだと実感したため、ドライヤーなどでは熱量不足だと思い、すぐにホームセンターでヒートガンを購入しました。
ヒートガンで表面を熱するとみるみるBarbourは白色から濡れ色になり、生地へワックスが染みていっていることがわかります。
部分ごとに、加熱⇒手もみを繰り返し、ワックスを馴染ませ、ムラを消すように染みた部分を広げていきます。
クリーニング後の見た目よりも濃いグレーになり、見た目の印象はかなり変わってきました。
定期的なリプルーフ
オイルドジャケットは機能面で優れる半面、ベタつきや臭いなど、デメリットも多くあります。
電車など人込みで着用する場合は、脱ぐなどの気遣いが必要です。
またリプルーフから時間がたつと、ワックスが酸化して、不快な臭いを醸し出すので定期的なメンテナンスが必要です。
若干、すでにこのOtter waxは臭うので、次回は違うワックスを使用するかもしれませんが。。
色々と気遣いが必要なローテクなアウターですが、その方が愛着がわいてくるので、大事に着ていきたいと思います。