こんにちは。ねこぜです。
現在のメインデジタルカメラである、”Hasselblad 907x”について紹介いたします。
名作フィルムカメラをデジタルカメラとして使用できるロマンあふれるカメラとなっています。
購入を考えている方にも参考になると思います。
作例と共に熱く語ります!
往年の名機をデジタルへ
私が中判カメラのHasselblad 500cmに手を出した経緯は以前語った通りです。
記事の中でも少し紹介していますが、Hasselblad社は現在までこのフィルムシステムを拡張し続けています。
Hasselbladのフィルムカメラはレンズ、ボディ、フィルムバッグという3つのパーツから構成されています。
この特徴を活かし、フィルムバッグのみデジタルセンサーに交換することでデジタルカメラへ変更することができるという試みを長年行っています。
デジタル化のことは知っていましたが、非常に高価であるためあまり実用性は無いかなと思っていた2019年頃、Hasselblad社は以下の製品をローンチしました。
動画全体のテーマが”Old meets New”となっており、アナログ製品のデジタル化という雰囲気が漂っています。
この動画と共に、新しいデジタルセンサーはべらぼうに高いわけではないという情報を入手しました。
フィルム代や現像料金が上がっている昨今で、ランニングコスト的にもどちらがいいのかを考えた際に、密かにいつか買う決心を固めました。
Hasselbladユーザーに理想のシステム
そんなこんなでアメリカに来てから購入しました。
結論、買ってめちゃめちゃ良かったです。
以下が動画のようにHasselblad 500cmと合体した写真です。
デジタルセンサーはフィルムバックとサイズはほとんど同じなので、装着時の外観はほぼ変わりません。
重さはかなり重いので、カメラ全体として非常に重くなってしまいますが。。。
驚くべきは使った時の精度の高さです。
フィルム本体側には当然、電子接点などないので、デジタルセンサーに対しては何も電気信号は送られません。
ですが、Hasselblad 500cmがシャッターを押した際に、本体側からフィルムバック側へわずかに突起する金属爪を感知して、正確な露光が行われます。
電源さえONにしてしまえばあとはフィルムを使用している手順と全く同じく使用することができます。
フィルムを無限に取れる感覚です。
画質は5,000万画素+中判センサーですので、プロが使えるレベルの申し分ないクオリティです。
レンズもHasselbladの名玉たちをそのまま使用できるので、解像度はバッキバキです。
中判デジタルカメラとしても可変
デジタルセンサーのみ購入する手もありましたが、また別のシステムとしての使い方もあったため、デジタルボディとレンズを別途購入しました。
Hasselblad社の開発陣は本当に天才だと思います。
それでいて、Hasselbladのフィルムカメラへの愛情に溢れていて、一番の愛好者なんだろうと想像しています。
下の写真からわかるように、これがカメラなのってくらいコンパクトなカメラにすることができます。
フィルムカメラのシステム同様に、レンズ、ボディ、バックからなっており、フィルムのデジタル化を成功させた一方で、現代版のシステムへアップデートさせた上で、世界最小の中判システムを作り上げています。
ボディなんて1センチ無いんじゃないかくらいの薄さで、レンズとバックをつなぐただのジョイントです。
これはこれでコンパクト+オートフォーカスカメラとして、気軽に持ち出したいときにこの形で運用しています。
ほんのり残るわずらわしさ
後者で紹介したデジタルカメラとしての運用では、中身はほとんど他のデジタルHasselbladと変わらないので使い勝手は非常に良いです。
私のように、フィルムカメラのデジタル化をメインに考えている人に向け、正直に気になる点を挙げていきたいと思います。
まず、ピントの厳しさです。
中判デジタルのバキバキ解像度をもってすると、Hasselblad 500cmのボシュッというミラーアップ動作により手振れ製造機となります。
早いシャッタースピードであれば何とかごまかせますが、粘りのある1/60、1/30くらいになるとまず手振れします。
私は構図を決めてからミラーアップ、見えない状態でレリーズを使用し慎重に撮影しています。
この部分はフィルムでもそこまで変わらないかもしれませんが。
あとは、センサー部分のホコリです。
正直これは構造上、運用上避けられないかと思います。
頻繁に掃除するしかないです。
撮影後に結構ホコリに気づくことが多いので、最近は常にブロワーで吹いています。
最後は、写真が6×6の正方形から4×3にクロップされてしまうことです。
これはデジタルセンサーのセンサーサイズに起因します。
どうしても6×6写真がいい人はさらに左右クロップするしかありませんが、画角は狭くなってしまいます。
わずらわしさは残るものの、そもそもフィルムカメラユーザーはそのわずらわしさに愛情を抱いている人が多いかもしれません。
私はわずらわしさ以上に楽しさを感じています。
作例紹介
街でこのカメラを持っていると熱心なHasselbladユーザーに話しかけられます。
欲しいけど迷っているという人ばかりですが、毎回強くお勧めしています。
実際に使って写真を撮ってみるとフィルムとの違いに戸惑いますが、RAW現像までのプロセスを勉強することで、より思い通りの表現ができるようになります。
検討している方は是非!最後に作例です。